建築・インテリア

欧米と日本の住文化2

欧米のカラッとした乾燥の気候が‘壁の文化’という住形態を生み、日本のジメジメした湿潤な気候が‘床の文化’という住形態を生んだと前回述べましたので、その住形態がどのように暮らしのデザインを関係しているか。

欧米の石造の壁の建物は小さな窓で構成された‘壁の文化’は、閉鎖的な完成された個室を生みました。また、靴で過ごす椅子やテーブルの家具が発達します。

壁の延長である窓辺を彩るウィンドートリートメント(カーテン)が家具とともにインテリアの大きな構成要素になりインテリアコーディネートが発達します。

欧米の壁の文化は閉鎖的な空間をきれいに飾るインテリアの文化を生みました。

 

それに対して日本の住宅は、家具等あまり置かずに神聖な床 として靴を脱いで暮らしていました。日本の座の文化は、季節の一輪の花を床の間に飾り簡素な美を尊重し、春夏秋冬がある日本の季節感を大切にしました。

ここには日本人の心があり、日本人の美意識がございます。

神聖な床を大切にし家具を持たない日本の住文化は、季節を取り込み自然と対峙する精神性に暮らしがありました!

言葉を変えれば、余白の美でもあり、『間』を大切にする『間』の文化 でもあります。

      壁の文化と床の文化は人々の住生活と関係し、インテリアの発達した欧米と室礼を大切にした日本の住文化の違い が生まれたのです。

       

      (2010年 著書「窓からはじめる住むだけでストレスが消える家」(幻冬舎発行)より)