建築・インテリア

ちょっとだけ住文化論

一応建築家ですのでまず始めに真面目に建築のことについて、私のAAプランニングのHPより抜粋で住文化論について書きます。

住宅は大きく二つの要因によって成り立っていると思います。

一つ目は、自然環境=気候風土

住宅はそれぞれの土地、風土によって成り立っていました。
湿潤な気候の日本の住宅は、急傾斜の山で育つ木を使って作られた木造住宅。
乾燥した大陸気候の欧米は、石やレンガの組積式の住宅。
構造からして違いが現れます。

開放的な日本家屋。閉鎖的な欧米住宅。

日本では、エアコンという設備がなかった時代いかに高温多湿のジメジメした夏(梅雨)を凌ごうかと先人の知恵であちこちに工夫されたのです。
窓を開けておいても梅雨時の雨を凌げる用に工夫された軒。
光を入れつつ視線を遮る障子。下半分を開けて雪を目で楽しむ雪見障子。
夏の日差しを遮り風は通す御簾。

このような気候風土が育てた素材の 木・草・紙・土に私たちは囲まれて生活していました。

 

二つ目は、社会環境=社会制度、生活文化

日本の住まいは、靴を脱ぎ畳に座ると言う座の文化でした。
卓袱台をだしてご飯を食べ、それをしまって布団を敷いて寝る。
つまり多目的に使える畳の座文化で、家具をあまり持たずデコレートより簡 素にしつらえることが美しいとされていました。
それが、戦後一般家庭にも椅子・テーブルという家具が入り布団からベッドの生活が一般的になりました。

近年私たちを取り巻く生活そのものが色々と変化していています。
情報機器、輸送機器の発達によって、世界各国どこでも同じ情報を手に入れることが可能になり、指一本でいろんな事がコントロールできるような安全で便利な生活ができるようになりました。

しかし、本当に便利な事がいいのでしょうか?
生活全てを便利にしていいのでしょうか?

設備機器の発達により、私達は一年中同じ温度環境での快適(?)な生活を手に入れました。

いろんな家族の楽しみ方があります。そんな人間としての楽しみを大切にするのがその人の暮らしのデザインです。

どこでも同じような暮らしである必要はなく日本という風土を大切にしつつ、その場所にあってしかるべく形、それぞれの暮らしのデザインというものを探したいですね!

さりげなく美しく 自分らしく楽しい暮らしをデザインしましょう!