暮らしのデザイン

暮らしのデザイン〜松本哲夫展で考える

松本哲夫展@建築家会館

剣持勇という日本の戦後のデザインを代表するインテリアデザイナーがいるが、その剣持勇を引き継いだ松本哲夫氏もまた偉大なインテイリアデザイナーいやインテリアアーキテクトです。

松本氏とは建築家会館のクラブバーでよくご一緒させていただきました。いつもニコニコと笑顔で語り口も優しさにあふれた素敵なジェントルマンでした。

その松本哲夫さんが亡くなられたのは昨年のこと。

建築文化継承機構で松本哲夫さんの作品をまとめられて、建築家協会で「松本哲夫展」が開催されました。

   

京王プラザホテルなど多くのホテルのインテリア、椅子のデザインは知っていましたが、新幹線、ヤクルトの容器までデザインされているとは存じ上げませんでした。

あれは私のデザインだよ。なんて一言の仰らない松本さんに改めて尊敬いたしました。

昨日は『最後の松本塾トークセッション』と題し、お歴々の重鎮の方が集い貴重なお話を伺いました。

その中で印象的だったのは、「松本さんは建築学科卒業だから建築の視点に立つインテリアアーキテクトだけど、空間のデザインはトータルに美しくなければならないが、それより大切な人間お欲求を満たすシステムの設計が室内環境の本質だと思うと松本さんが書かれているように形の美しさ以前の人の語感を満たすことが大切である。その意味で、建築とかインテリアとかカテゴリーで分断されるものではない」というご意見。

私は、ずーっと建築とインテリアを分けて考えることに抵抗があり活動してきたのですが、建築ーインテリア〜食まで『暮らしのデザイン』考えてきたことに間違えがなかったかな?とやや安堵しました。